運動療法基礎

 

1. アルブミンは栄養状態を把握する指標であり、基準範囲は文献により多少前後するが、3.6~5.0g/dLである。この値が低下すると低栄養状態、飢餓状態である。ことが示唆される。

2. 赤血球はへモグロビンを含み、酸素を運ぶ作用がある。赤血球数が減少もしくはへモグロビン濃度が低下した病態を貧血といい、赤血球数が多い病態を多血症という。

3. C反応性蛋白は、炎症性疾患の有無や病勢の推移を評価する際に最も頻用される炎症マーカーであり、基準範囲0.3 mg/dL 以下である。

4. カルシウムは骨,歯にほとんどが存在し、神経,筋細胞の興奮性調節などの役割がある。基準値は8.3~9.9mg/dL である。悪性腫瘍、白血病などでは高値、慢性腎不全などでは低値となる。

5. y -GTPは習慣飲酒やアルコール性肝障害のマーカーである。
脊山洋右, 他(監修) : コンパクト栄養学, 改訂第4版, 南江堂, p.170-175. ②奈良信雄, 他(編) :  臨床検査, 医学書院, p. 107, 141-142, 187, 224. ③奈良勲. 他(シリーズ監修), 前田眞治, 他 : 標準理学療法学, 作業療法学 専門基礎分野, 内科学, 第3版, 医学書院, p. 27-29. 

 

1. 関節モーメントは関節角度によって異なるため,抵抗関節モーメントに合わせて調整する.

可動域の中間1/3は筋トルクが高い徒手抵抗運動では抵抗量の調整が可能なため,可動域により最適な抵抗をかけることができる.

1. 用手接触はMP関節屈曲位,PIP, DIP関節伸展位の虫様筋握りがよい

1. 接触面を広くしすぎると,運動方向が規定できなくなる。接触面は小さく

 

過負荷の原理と特異性の原理に基づいて、筋に種々の方法で負荷を与えて最大筋力の増大を目的とするのが漸増抵抗運動である。10回反復最大負荷(10 repetition maximum :10RM)とは、全関節可動域を10回連続して運動できる最大の負荷量のことである。
1. 等張性筋収縮による筋力増強法として広く応用されている。

 

2. 10RMを基準に、負荷量を設定する。最大筋力の%をもとにするのは等尺性収縮による運動を行う場合である。
3~5. 10RM の50%の負荷量で10回の繰り返しから開始する。現在変法が多数出ているが、原則は関節の全可動域を10回往復して運動しうる最大負荷による抵抗運動(10RM)で、筋力の増大につれて抵抗を漸増する。
1週ごとに10RMの測定を行い、負荷量を変更する
細田多穂(監修), 植松光俊, 他(編) : シンプル理学療法学シリーズ 運動療法学テキスト, 改訂第2版, 南江堂, p. 174-175. ②奈良勲(シリーズ監修), 吉尾雅春(編) : 標準理学療法学專門分野, 運動療法学総論, 第4版, 医学書院, p.203-205. ③柳澤 健 : 運動療法学, 金原出版, p. 22.