スポーツ障害

 

テニスー外(カタカナ)ー中指伸展テスト、手関節背屈テスト

野球ー内ー肘外反テスト

 

1. 野球肩は投球動作を繰り返すことで、 肩関節を構成する組織が損傷されて疼痛を生じる。

2. 投球骨折は上腕骨の近位に、 遠位に相反する捻転力が加わり、骨折を生じる。

3. テニス肘(上腕骨外側上頼炎)は上腕骨の外側上か部に疼痛と圧痛を認める。上腕骨外側上題は手関節ならびに手指の伸筋群、回外筋の起始部となっており、これらの筋群の使いすぎにより生じるーバックハンド
4. ジャンパー膝は膝伸展機構の使いすぎにより生じる。膝蓋建や大腿四頭筋健が膝蓋骨付着部で微小断裂を生じ、その後はんこんや石灰化をきたす。
5. 脛骨疲労骨折は通常は骨折を起こさない程度の負荷が繰り返し加わった場合に生じる。 最も生じやすいのは近位 1/3 および遠位1/3 である。

 

腰椎分離症は,腰椎椎弓を構成する上下関節突起間の連続性が断たれた状態をいう.

大多数の症例で青少年期の過度のスポーツが原因と考えられ,多くの場合第5腰椎に発生する。設問の症例は 48 歳という年齢ではあるが、高校時代からのスポーツ歴があり, 以前から発生していた分離症が加齢的変化や体幹
力の減少により症状を発したものと推測できる。

発生機序として繰り返しの体幹の伸展ストレスが考えられているため, 3の背筋の筋力強化❌方法は適切でない, 4の SLR 訓練は、腰痛患者では図のように片方の下肢を屈曲させ,腰椎の前弯を取り除いた肢位で行うことが望ましい。

 

1:ハムストリングスの肉離れは大腿二頭筋の受傷が最も多い。スポーツにおいて急激な自己の筋収縮によって筋が過伸張される場面、 特に疾走中の接地前後に受傷しやすい。

2:ハムストリングスの肉離れは、疾走動作のような股関節屈伸、 体幹回旋などを伴う動作でハムストリングスの一部に負担が偏ったときに受傷しやすい。そのため再発予防には殿筋や体幹筋の機能が重要であり、患部をかばうことで生じる体幹部のバランス不良や股関節可動域制限を評価しながら改善させていく。

3:重症度はMRI画像によりI (軽症)~Ⅲ(重症)型に分類される。I型は出血所見のみが認められる損傷、 Ⅱ型は筋腱移行部 (特に腱膜)の損傷、Ⅲ型は腱性部の断裂や筋腱付着部での引き抜き損傷である。

4:肉離れは腱移行部を損傷した結果として生
じるストレッチ痛を特徴とする。したがってハムストリングスのストレッチは直感的には正しいように感じても、 実際には受傷初期で避けるべき対応の代表例であり、正しくはストレッチ痛が消失してから積極的に行う。

5:受傷初期は炎症症状の軽減を目的にRICE
処置や低周波(微弱電流)療法を中心に行い、 荷重歩行を制限するなどの患部の安静を保つことが大切である。荷重系運動であるレッグランジは主に患部主体のトレーニングを実施できる後期において、状態に応じて開始する。

①宗田大(編) :復帰をめざすスポーツ整形外科、 メジカルビュー社, 2011, pp 273-280, ②臨床スポーツ医学編集委員会(編):スポーーツ外傷·障害の理学診断·理学権法ガイド。第2版、文光堂, 2015, pp 104-107, pp 309-313. (③中村利孝·他(監): 標準整形外科学, 第13版, 医学書院、 2017, pp 876-877.

 

 

ランナー膝ー腸脛報帶炎の検査ーgraspingテストー膝のサポーター

 

Osgood-Schlatterーエックス線画像では、脛骨粗面部の骨端の離開、分節化、不整を認める。

 

Osgood-Schlatter病は、成長期における主としてスポーツを背景に、膝蓋腱の脛骨付着部に慢性の機械的刺激が生じることで発症し、脛骨粗面部の疼痛をきたす疾患である。

Osgood-Schlatter 病は、スポーツなどによるジャンプ着地時や減速時に後方重心が続き、成長期の脛骨粗面に力学的牽引力が加わることで骨化異常をきたす障害である。

1:小学校高学年から中学生(10~15歳)で、スポーツを盛んにする男児に多い。

1. 10~13 歳のスポーツ活動で発症し、発育の停止とともに軽快する。
2:ジャンプからの着地や急激な膝関節の自動伸展など、膝関節伸展力が加わる動作で疼痛を訴える。(運動時痛)

2. 膝蓋腱付着部(脛骨粗面)の骨端炎を初症状とする。
3:単純エックス線写真側面像で、脛骨粗面部の膨隆、辺縁の不整像、骨端核の分離や遊離が認められる。
4:運動後にはアイシングを行い、炎症の鎮静化を図るようにする。
5:スポーツができないほどの運動時痛がみられる、また膝関節完全屈曲が不能な段階では、対応としてスポーツ活動を中止し、RICE(S)処置、物理療法、上肢などの患部外のトレーニングを行う。

5. 難治例や疼痛が強い場合には、ステロイド注射を用いる場合もある。

①中村利孝 他(監):標準整形外科学,第13版,医学書院,2017,pp 652-653.

2星野雄一,他(編) : NEW エッセンシャル整形外科学,医歯薬出版,2012,pp408-409.

3臨床スポーツ医学編集委員会 (編):スポーツ外傷,障害の理学診断理学療法ガイド,第2版,金原出版, 2015,pp 339-343.①福井 勉.他(編):理学療法MOOK9ツ傷害の理学療法、三輪書店、p. 108-121.陶山哲夫(監修)、赤坂清和(編) :スポーツ理学療法学、メジカルビュースポー社、p.138, 169中村利孝,他(監修)、井桶栄二,他(編) : 標準整形外科学、第13版、医学書院、p.805-806)

 

前距腓靭帯損傷は内反捻挫により受傷し、足関節捻挫で最も損傷頻度が高い。踵腓靭帯損傷を伴う場合も多い。
1. 急性期は血管拡張による血流増加が認められるため早期にアイシングをする。
2. 炎症症状を改善させるため、バンテージや伸縮性包帯などを用いてアイスパックを患部にしっかり密着(足関節外側部)、固定し、足を高く上げる。
3. 疼痛と腫脹の改善を図るため、RICE処置を行う。この場合は、外反位への固定が正しい。
5. 前距腓靭帯損傷のテストには

前方引き出しテスト

内反ストレステストがある。

ただし急性期は損傷組織の保護を優先し、できるだけ早期に RICE 処置を行い二次障害を防ぐ。

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腓骨筋を鍛える

①陶山哲夫(監修), 赤坂清和(編) : スポーツ理
学療法学, メジカルビュー社, p. 26-31. ②公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト(救急処置), 日本体育協会, p. 12-23. ③工藤慎太郎(編著) : 運動機能障害の「なぜ?」が分かる評価戦略, 医学書院, p. 306-308.