明日から生かせる! 姿勢評価に必要な3つのポイント
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姿勢評価をすることで分かることは?
姿勢を評価を行うことで様々なことが分かります。
● 重心位置、関節モーメントの大小
● 筋・関節の状態(弱化、短縮、過緊張、ROM制限)
● 呼吸機能(吸気・呼気、胸式・腹式のバランス)
● 運動・動作パターン(協調性、逸脱、代償)
● 神経システムのバランス(腹内側系、背外側系、平衡反応)
● 心理面
正しい姿勢評価をすれば、本当に多くの情報を手にすることができます。
僕自身、姿勢評価を中心に臨床展開をしていくことで「臨床推論」と「問題点の抽出」は、比較的スムーズに短時間で行うことが可能となりました。
姿勢評価を行うための3つのポイントとは?
姿勢は、非常に多くの情報を持っています。
そのため、評価する「目的」や「条件設定」が変化すると情報もいっしょに変化をします。
ポイント①:身体機能・構造
はじめに姿勢とは、「構え」と「体位」を組み合わせたものです。
● 構え:身体の各部位(頭部・体幹・四肢)などの相対的な位置関係を表す。
例 ) 股関節屈曲位、肩関節外転位など
● 体位:身体の重力方向に対する位置関係
例 ) 臥位(背臥位、側臥位、腹臥位)、座位、立位 など
また、構えには、「空間座標」と「相対座標」という考え方があります。
● 空間座標:矢状面・前額面・水平面に対する、「肢節(骨)」の位置関係を表現する
例 ) 脛骨内旋(水平面上での脛骨が内旋)
● 相対座標:隣り合う肢節との位置関係で、「関節の位置」を表現する
例 ) 膝関節内旋(大腿骨に対して脛骨が内旋)
⇒ 大腿骨内旋20度・脛骨内旋30度 = 膝関節内旋10度
⇒ 大腿骨外旋10度・脛骨内旋20度 = 膝関節内旋10度
ここで注意すべきことは、「肢節(骨)」と「関節」のどちらを診ているのか? である。
基本的には、「空間座標(肢節)」を評価して、「相対座標(関節)」を診ることが大切です。
この手順が逆になってしまうと、臨床では誤った情報を得ることに繋がり、
「筋・関節の状態」や「運動パターン」を理解することが難しくなってしまいます。
さらに、各構造体の変化や機能性によって姿勢は変化します。
● 骨・関節 : 関節拘縮、骨の長さ、関節裂隙・関節腔の変化
● 軟部組織の長さ : 短縮、過伸張(エロンゲ―ション)
● 筋の緊張 : 低緊張、高緊張
● 筋力 : 姿勢保持筋の弱化
そのため、骨・関節・筋・受動組織による影響を考慮して、「構え」を評価していきます。
ポイント②:環境
「体位」によって、支持基底面、重力方向、関節モーメントが変化し、身体が環境に合わせた対応をする必要があります。
そのためには、環境を知ることが大切です。
【臥位での環境評価】
● 枕の高さ・位置は、頭部に対して適切なのか?
● 支持面から、肩甲帯はどの程度離れているのか?
● 支持面の傾き・軟らかさは、脊柱・胸郭に対して適切か?
● 床面と腰椎との距離は適切か?
● 支持面と膝窩部の距離は適切か?
【座位での環境評価】
● 座面の高さは、適切か(身長 × 0.25 - 1)?
● 座面の長さは、適切か?
● 座面に対して、座る位置は適切か?
● 背もたれの角度・形状、使用方法は?
● 肘掛けの有無、使用方法は?
【立位での環境評価】
● 支持面の形状・材質は?
● 靴・インソールの履いているのか?
● 靴の形状・大きさは、適切か?
上記のような、体位別の環境面に配慮した上で、どのような構えをしているのかを診ていきます。
ポイント③:心理面
「身体心理学」の視点からは、感情や意識によって、姿勢が変化するとされています。
例えば、「嬉しい」ときは背筋が伸び、「悲しい」ときは背筋が曲がっていることが多いですよね?
そのように、姿勢は心と密接に関係を持っています。
姿勢評価をするための手順
最後に3つのポイント踏まえた評価手順として、
① 環境面
② 身体構造・機能
③ 心理面
の順番をおすすめしています。
僕たちの姿勢は、
「環境適応することが前提」
として成り立っています。
つまり、その人も持っている身体構造・機能を使って可能な範囲で適応します。
結果的に適応が不十分となれば、
「代償動作として補償する」
ことに繋がります。
そのため、考え方としては、
「人 < 環境」
で考えるほうが、筋の通る考え方になるのではないでしょうか?
みなさんも、環境面を考慮しつつ、身体構造・機能、心との関係性を踏まえ、
日頃の姿勢評価を行ってみて下さい。